【自作PC】予算3万円以下でコンパクトゲーミングPCを作る(OS込・中古パーツあり) 準備編
 
  		超低価格である程度ゲームも可能なサブPCを作成してみたので手順のまとめです。
コンテンツ
低価格でPCを組む場合のネック
自作PCをを安く仕上げようと思った場合に、どうしてもネックとなるのがなんと言ってもOS代です。

Windows10は価格の安いHOME版でも15,000円程かかってしまいます。
WEBブラウザやOfficeソフトがメインの用途ということであればLinuxベースの無料OS、Ubuntuを使用するという方法もありますが、ゲームもしたいとなるとゲーム側がLinuxに対応していない場合も多いのでやはりOSにはWindowsが必要になってきます。
ただ、さすがにOS代にそこまで掛けてしまうと今回の予算でPCを組むのは無理に等しくなってしまうので今回は裏技的な方法を使いました。
その方法とは、Windowsインストール済みの中古PCをベースにしてパーツの交換、増設を行うという方法です。
特にビジネス向け機種のリース落ちPCを使用するのがおすすめです。リース落ちPCとは企業が一定期間使用後入れ替えとなった端末のことで、数が非常に多く出回るので安価で入手が可能です。
今回はそのリース落ちPCをベースにパーツ交換等である程度快適に使用できるPCを作成してみました。ゲーミングPCの基準については色々あるかと思いますが、ある程度設定調整すればフルHD(1920×1080)、60fpsでプレイ可能を目標に設定しました。

こちらが準備したもの一式です。それぞれ順番に紹介していこうと思います。
PC本体
まずは何より大事なPC本体から。ある程度処理スペックが欲しいのでCPUはcore i5以上、OS付きのPCから探しました。
とはいえCore iシリーズは毎年世代代わりをしており、2020年8月時点の各世代の搭載PCの相場は以下の状況でした。
| 世代 | 発売年 | 主なCPU | 相場 | 
| 第1世代 Nehalem | 2010年 | 750,760 | – | 
| 第2世代 Sandy Bridge | 2011年 | 2400,2500 | 7,200円~ | 
| 第3世代 Ivy Bridge | 2012年 | 3470,3570 | 9,000円~ | 
| 第4世代 Haswell | 2013年 | 4570,4670 | 10,000円~ | 
| 第4世代 Haswell Refresh | 2014年 | 4590,4690 | 11,000円~ | 
| 第6世代 Skylake | 2015年 | 6400,6500,6600 | 15,000円~ | 
毎年のようにCPUの世代が変わっているのでCPUからPC自体の製造年も逆算できると思います。
上記の相場より明らかに安い場合はOS、HDD無しだったり、動作未確認のジャンク品だったりするので注意が必要です。
今回は性能と価格のバランスからHaswell Refreshから探すことにしました。
またCPU以外にもう一つ条件があります。
PCI Express 2スロット
後ほど詳しく紹介しますが、今回はゲーム用にグラフィックボードを増設します。
ある程度処理能力のあるグラフィックボードの場合、放熱用のファン、ヒートシンクの関係により増設には2スロット分の空きが必要となります。
以上の条件から各メーカーのビジネス向けPCを探すと以下の機種が候補となりました。
ProDesk 600 G1 SFF

- サイズ:338×100×379
- 電源容量:240W
- スロット:PCI Express x1(3スロット),PCI Express x16
Dell OptiPlex 7020

- サイズ:290×93×312
- 電源容量:255W
- スロット:PCI Express x4,PCI Express x16
※同じ世代にOptiPlex 3020がありますが、こちらはPCIeが1スロットしか無いので注意
NEC Mate タイプMB

- サイズ:333×97×383
- 電源容量:約250W?
- スロット:PCI Express x1(2スロット),PCI Express x16
※仕様に電源容量の記載がありませんでしたが、最大消費電力が234Wだったので250W前後はあるかと思われます。
他にもLenovo、富士通などの他メーカーやスリムタイプでは無い商品などもありましたが、流通量が多いのは上記3機種になると思われます。
3機種を比べるとサイズが小さい方からDell<NEC<HPとなりますが、その分PCIeスロット数、内部スペース等の拡張性も大きさに比例する形となるようです。
また、CPUにCore i3等が使用されている場合もあるので注意してください。
購入先については
- Yahoo、楽天のショップ
- Amazonマケプレ
- ヤフオク、メルカリ
といったところが候補になるかと思います。一応大手のPCショップ等でも取り扱いがありますが割高になってしまうかと思います。その分動作確認等の保証はあるかと思いますが。
商品を探す場合は検索欄にCPUのモデルナンバーを入力し、価格の安い順に並び替えると良いと思います。
今回はなるべくコンパクトに仕上げたかったのと、いい感じの商品が見つかったのでDell Optiplex 7020をAmazonのマケプレで購入しました。

全面に書かれた数字が消しづらかったですが、外装は非常に綺麗でした。
価格は送料無料で10,900円、詳細なスペックは以下の通りです。
- CPU:Core i5 4590
- メモリ:DDR3 4GB
- ストレージ:HDD 500GB
- 光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
中も開けてみたら結構きれいだったので販売業者が掃除してくれたのかと思いましたが、奥の方にはホコリが残っていたのでほとんど使用されていなかった当たり個体かもしれません。
通電確認も問題無く、このスペック、状態で10,900円なら非常にお買い得だったと思います。
PC本体を購入して3万円までの残り予算は19,100円。このPCを買い手に使用するために続いてパーツ3点を準備しました。
グラフィックボード
ビジネス向けのスリムPCにグラフィックボードを増設する場合には下記の2点に注意する必要があります。
- 補助電源不要
- ロープロファイル対応
ビジネス向けPCは特殊なメーカー独自の電源となるので補助電源のコネクタがありません。電源容量も不足するので消費電力の大きいハイスペックなグラフィックボードは搭載できません。
また、一般的なビデオカードは幅が十数センチあるのに対し、今回検討したビジネス向けのスリムPCはケース幅が10センチ前後しか無く物理的に入りません。
ただ、そういったスリムタイプのPC向けにロープロファイルという規格がありそちらに対応しているグラフィックボードであれば搭載が可能となっています。
現在購入可能なロープロファイルに対応しているグラフィックボードに搭載されているチップは以下の3種類がメインとなります。
GTX 1650

価格:18,000円~
現在ロープロファイル対応しているGPUの中では一番高スペック。
性能は前世代の大ヒットGPU GTX 1060より少し下ぐらいの性能。予算に制限がなければこちらが一番オススメです。
似た名前でGTX 1650 SUPERという上位版がありますがこちらは補助電源必須なので今回のPCには搭載不可です。
GTX 1050Ti

価格:14,000円~
前世代のロープロファイル対応グラボ最上位機種です。
発売から数年経っているので価格もだいぶ落ちました。GTX1650と比較すると20%前後性能が落ちるようです。
PS3世代のゲームであれば問題なく動作可能、PS4世代のゲームも画質を調整すればプレイは可能です。
現在は製造終了している商品も多く、現在購入可能なロープロファイル対応グラフィックボードはMSI製の商品だけになるかと思います。
GT 1030

価格:9,000円~
3Dゲームをプレイする上で最低限の性能を持ったビデオカードです。
GTX750やG付きRyzen 5の内蔵グラフィックと同等程度の性能はあるのでPS3世代のゲームであればプレイは可能です。最新ゲームは設定をかなり落としても30fps前後ぐらいしか出ないかと思われます。
上の2機種に比べ、低消費電力、低発熱なのでPCIeスロットが1つ分のスペースで済み、ファンレスの商品なども存在します。
新品で購入する場合は問題ないかと思いますが、過去にはメモリがGDDR4とGDDR5の商品があり、GDDR4の商品は半分ほどの性能しか出ないので中古品を購入する場合は注意が必要です。
他にもGT710やRX550といった製品もありますが性能が低すぎたり、ラインナップが少なかったりするのであえて選択する必要は無いかと思います。
今回は予算との兼ね合いもあり、GTX 1050Tiのグラフィックボードを選択しました。


MSIのロープロファイル対応グラフィックボード「GTX 1050 Ti 4GT LP」という商品です。送料無料で13,970円でした。

通常サイズのグラフィックボードとの比較です。上はGTX660搭載のグラボです。
サイズはこんなに小さくなりましたが性能はGTX 1050Tiの方が上ということで技術の進歩を感じます。
グラフィックメモリがGDDR5 4GB、出力はDVI、HDMI、DPそれぞれ1系統ずつという構成です。
エントリークラスのグラボではありますがこれでもスペック上はPS4 ProのGPUよりも上です。実ゲームのfps等が勝るかはゲーム側の最適化等も影響してきますが。
ここまでで24,870円残り5,130円です。
メモリ
購入したPCに搭載されていたメモリは4GBでWindows10を扱うにはさすがに容量不足です。
最低限8GBはほしいということで4GBメモリを増設します。
対応メモリについてですがHaswell世代のCPUに対応している規格はDDR3-1333,1600です。また、DDR3Lの低電圧メモリにも対応しています。
現在のCPUはDDR4が標準となっており、メモリの流用ができなくなっているので中古メモリが数多く出回っており安価で入手できます。

自分もDDR3のメモリは余っていましたので今回は手持ちの2GB×2枚を流用しましたが、同じものを購入する場合は送料込み1,000円程度で購入できます。

左が元々付いていたもの、右が今回追加するメモリ2枚です。元々は片面実装の4GB1枚が付いていました。
相性や性能を気にする場合はデュアルチャネルで動作するように4GB×2や2GB×4の組み合わせにしたほうが良いです。
また、中古購入PCはパーツ交換されている可能性もあるのでメモリ4GB搭載となっていても4GB1枚なのか、2GB2枚なのかはたまた1GB4枚なのかは到着したPCの中を開けてみないと分かりません。
到着したPCに搭載されているメモリに合わせて追加分を購入する方が賢明です。
ということでメモリは上で紹介した送料込み1,000円のメモリを購入した扱いで残り4,130円です。
SSD
最後にメインのストレージ用にSSDを購入しました。
PCの動作自体はHDDでも動きますが個人的にSSDは今のPCに必須と考えています。正直CPUのスペックよりも重要度は上です。
SSDを諦めればグラフィックボードをGTX 1650にということも可能でしたがそれでもCドライブはSSDが必須だと考えています。
Windows自体の動作はもちろんのこと最新ゲームはファイルサイズも50GB前後になったりするので保存先をSSDにするだけでロード時間等が大幅に改善されます。
ゲームのfpsは落ちてしまうかもしれませんがファイル読み込み時のカクつき等も抑えられ全体的な快適性は上になると思います。
今回の予算で買えるSSDの容量は240~256GBの商品になるかと思います。DRAM有無など細かい違いはありますが昔ほど製品にばらつきはなくなったので個人的には好きに選んだら良いんじゃないかと思っています。
今回はSSDも実際には購入せず、過去PS4の追加ストレージとして購入したものを流用しました。
SSD追加したものの、PS4を全く使用していなかったので・・・。

この内容を書いている時点で256GBが3,840円でした。購入した1年ちょい前の購入時より500円ほど安くなっています。
以上で一通りのパーツが揃いました。
- PC本体:10,900円
- グラフィックボード:13,970円
- メモリ:1,000円
- SSD:3,840円
合計:29,710円の3万円ギリギリで揃えることが出来ました。次回は実際に分解、パーツ交換、動作チェックまでの様子を紹介したいと思います。



 
																			 
																			 
																			 
																			 
																			 
																			 
																			